ベースの種類
今回は土台の要とも呼ばれているベースを見ていきましょう。低音域の為、初心者の耳には聴き取り辛く、「必要性がない!」という方もおられますが、DTMを始めるとその必要性に気付かされる筈です。
ベースにも種類がいくつかありますが、大きく3つに分類されます。
エレクトリックベース
ベースと聞いて最初に思い浮かぶのが、このエレキベースではないでしょうか。アンプを通して使用します。
幅広く対応できるので、ロック・ポップスの大半はエレキベースを使用しています。必ずしも4弦ではなく5弦ベースも存在します。
演奏方法はピックを使って弾く、ピック奏法。
指で弾くフィンガー奏法。指弾きと呼ばれるもの。
弦を引っ掛けて弾いたり、叩く事によって鳴らすスラッピング奏法。通称チョッパー(スラップ)と呼ばれる3つに分かれます。
ピック奏法は、硬く力強い音が特徴的ですので、アタック感を出したい時、他の音が鳴っていても埋もれないようにする時に使用します。
フィンガー奏法は、やわらかい音であったり、細かいニュアンスを伝える時に使用します。ロック系のベーシストはこの奏法をする方が多いですね。
スラップはこれらと特徴が異なり、「バチッ」という強烈なサウンドを表現する時に使用します。ファンキーなベースサウンドが得られます。ロックではRed Hot Chili Peppersやマキシマムザホルモン等が使用しているイメージがありますね。
ウッドベース
アコースティックベースと呼んだり、コントラバスと呼んだり、様々な呼び名があります。色んなジャンルで使用されるので、使用ジャンルによって呼び名が変わるのですが、ウッドベースと言えばこのような楽器の事です。
太く低い音を特徴として、オーケストラやジャズでよく使用されます。もちろんロックやポップスでも多様されており、数曲だけウッドベースを弾くアーティストも見かけます。渋くカッコいいですね。音は柔らかい雰囲気で独特の深みがあります。
シンセベース
その名の通り、シンセサイザーで演奏するベースです。
シンセベースはエフェクトのかけ具合により音色は多岐に渡るので、これがシンセベースの音というものはありません。使用ジャンルも、一般的なポップスから、YMO風のテクノポップ、ダフトパンクのようなエレクトロハウス、エイフェックスツイン風のドラムンベースまで幅広いです。
音色作りに個性を出せる楽器でもあり、自由度が一番高いです。
ベースの役割
ベースというと、なんだか地味で不必要なものと思われがちですが、様々な役割を持っています。ベースの代表的な役割を見ていきましょう。
曲に音圧を与える
1番は音圧です。ベースがなくても良い音楽はたくさんありますが、バンドサウンドでベースがないと、どこか薄く迫力に欠けるものとなります。
これがベース音を一音鳴らすだけで、曲に一気に厚みがかかり迫力が増します。演奏が上手でないバンドでも、ベースが上手ければカッコよくなります。
ノリを作る
ベースもドラムのように強弱をつけて演奏しますが、その差はあまりありません(ベロシティでいうと10~20くらいが一般的)。それよりも音の長さ短さのデュレーションが肝心です。
歯切れよく切ったり、あるいは伸ばしたりする事で、曲全体にノリを生み出し、それがドラムと絡み合いグルーヴを生み出します。ノリやグルーヴは、ベースが作り支えているといっても過言ではありません。
コードを明確に示す
コードについては今後詳しく触れますが、複数の音を重ねた和音の事です。音楽は基本的に和音の進行で形成されており、1小節目はド、2小節目はファと「音の主」が存在しています。
ただボーカルやギターは、主がドであるにも関わらず、必ずしもドの音を出していない事がよくあります。それでは音の主が何の音か分かりません。そのような時、ベースでドの音を一音弾いてあげるだけで、音の主がドである事を伝える事ができます。
他の楽器に比べてこのコード感を出す役割をベースは強く持っているんです。もちろんベースが主を弾かない時もありますし、曲によって色々ですが。
主役にもなれる
ここまで見ると縁の下の力持ち的イメージが強いです。しかしベースは主役にもなれます。元来音が力強く、リズムを強調出来る楽器の為、ギターやボーカルが引っ込みベースが強調を始めると、とてつもなく大きい存在感となり、ギターや歌を食ってしまう事もできます。
メロディを作る
コードを明確に示し、曲を支える事が多いベースですが、メロディにもなりえます。ビートルズのポールマッカートニーや、L'Arc〜en〜Cielのtetsuyaさん等は動くベースで有名です。
メロディを鳴らす事で、曲を華々しくする事もベースには出来るんです。
では次回はベースの打ち込むコツを見ていきましょう