自然な演奏を作る2
前回ベロシティの強弱をつけることで、人間が演奏してるような自然な演奏が出来ること、アクセントが生まれノリができることを勉強しました。
しかしノリを生みだすのはベロシティだけではありません。
ロケーション
ロケーションとは、音を発音させるタイミングの事を言います。
例えば4/4拍子で8分音符を4つ打ち込んだ場合、今までの打ち込み方をすれば、上画像のように綺麗に2拍分となります。ただ実際の人間が演奏して、こんなに均等に発音する事はありえません。
プレイヤーによって特徴も出ます。曲によっては走りぎみの方がカッコ良かったり、もたついた方がどっしりする事もあります。
こういった表現をDTMで行う場合、ノートをわずかばかり前後させ、ロケーション(発音タイミング)を変えてやります。
(見やすくする為、音の高さを変えましたが音は一緒と考えて下さい)
微妙に前に置いたり後ろに置く事によって、ノリを変化させたり、より人間らしい音に聴こえるようにします。ずらしすぎると、本来2拍目表の音が1拍目の裏にきてしまっている、なんてことになるので注意しましょう。それではただリズムがずれているだけになります。
デュレーション
デュレーションもロケーションと効果は一緒で、人間が演奏したかのように聴こえさせたりノリを作るものです。デュレーションは発音する長さです。
楽譜には4分音符や8分音符と書かれていたとしても、演奏で完璧に弾く事は不可能です。例えば8分音符が4つあり、一つ一つの音の長さを1とします。楽譜ではその様に記されていても、実際演奏すると、1.1、0,8、1.2、0.9とわずかながら長さが変わります。
それをDTMでもちゃんと表現してあげ、より自然な演奏に聴こえるようにしようという考えです。
こちらもやりすぎると、せっかくのDTMなのにリズムが合ってないて事になるので注意しましょう。ロケーション・デュレーションもベロシティと同様で、テクノのような機械的な演奏表現をする場合いじらなくても構いません。
ただポピュラー音楽では、この細かい部分にこだわる事で圧倒的にクオリティが変わります。
ロケーション・デュレーションそして前回のベロシティなんとなく理解できたでしょうか?ドラムではベロシティ、ベースではデュレーションが重要となり、曲のノリを左右するので、たくさんいじって感覚を身につけましょう。
ノートのプロパティ
sonar x1シリーズでは、ノートをダブルクリックすると数字を打ち込む事が出来ます。感覚を掴むにはこちらを利用する方がよいでしょう。
タイムは発音タイミングのロケーションを表しており、「1:01:000」の最初の「1」が小節、「01」が拍、「000」がティックとなっています。
ティックとは音符を分解する値の事です。
現在は4分音符を480に設定しているので、上の画像のように1小節目の1拍目ジャストに8分音符を打ち込んだ場合「1:01:000」、1小節目の1拍目の裏に8分音符をジャストに打ち込んだ場合は「1:01:240」となります。4分音符が480設定なので、8分音符なら半分の240という考えです。
これを230にしたり、250にしたりする事で、楽譜上は同じ1小節1拍目裏の発音タイミングでも微妙に早く鳴らしたり、もたつかせたりできる訳です。
タイムより下の「ピッチ」は音の高さ、次いで「ベロシティ」「デュレーション」となっています。デュレーションの長さも、ティック数で表記されており、4分音符のティック数を480に設定している場合、普通なら8分音符のデュレーションは240ですが、175にして微妙に短くしています。
ティック数の設定
これら4分音符あたりのティック数は、使用のDAWソフトによって異なりますが、sonar x1では「編集」→「環境設定」からプロジェクト内の「クロック」にいくと、「4分音符あたりのティック数」を選択する事ができます。
「960」が最高値です。数字が高ければ高い程、より細かくデュレーションやロケーションに拘る事が出来ます。ただ始めの内は「480」が分かりやすいと思うので、このサイトでも「480」を基準に扱います。
まとめ
まとめ
・打ちこみにはベロシティの他、ロケーション・デュレーションがある。
・発音のタイミングや長さを変える事で、人間が演奏してるような自然な音へと近づける。
・小節・拍・ティックで数字を打ち込む事が出来る。