音名
まずは音の高さを表す「音名」を、鍵盤楽器で見ていきましょう。鍵盤楽器は、白い部分の白鍵と黒い部分の黒鍵に分かれており、図のような音名が当てはまります。
イタリア語である「ドレミファソラシ」は馴染み深いものだと思います。音名は各国バラバラの呼び名で、日本では順に「ハニホヘトイロ」、英語では「CDEFGAB」と呼ばれています。
しかし「じゃあ私は日本人だから日本語だけ覚えよう!」という訳にはいきません。ハニホヘトは主に「調(後日解説)」で、CDEFGは主に「コード(後日解説)」で使用します。
日本の音楽では3種類の呼び名を混合して使うので、少しややこしいですが覚えておきましょう。
音部記号
ト音記号
五線譜では、上図のように下から順にドレミファと上がっていきます。しかし「ドレミファ・・・」の位置は必ずしもこの位置とは決まっていません。
学校の音楽の授業を思い出して下さい。上図よりもっと低い音の場合、この下にもう一つ五線譜があったと思います。(思い出せない方はこのページの下の方をご覧下さい。)
もう一つの五線譜上では、「ドレミファ・・・」はこの位置ではありませんでした。どこがドか分かりにくいので鍵盤を弾く時とても厄介だった筈です。
実はどこを「ドレミファ・・・」にするか決めているのが音部記号なんです。上図をもう一度見て下さい。
上図の音部記号は2日目 音符と休符の長さ(超基本編)にも書いたように、ト音記号と呼ばれるもので、主に高音系の楽器の表記に使われます。(高音部譜表とも言います)
ト音記号の中心部分より少し下を見ると、五線の下から二番目の線が囲まれているように見えないでしょうか?
実はこの形こそがト音記号の特徴です。囲まれているその線が「ト」ですよと言ってくれているんです。そのまま右にスライドしてみましょう。「ソ」の音に当たりますね。イタリアの「ソ」の音は、日本では「ト」と呼ぶと言いました。
つまり、音部記号は五線のどの部分が何の音かを指示する役割があるんです。でも「ソ」をもう少し上にしたいからといって、ト音記号を無理矢理上に書くのは間違いです。音部記号の書き方は毎回同じ位置にしなければなりません。そういった時はそう指示する書き方があるのでまた紹介します。
最初にト音記号が書かれていた場合、ドレミファソラシドは基本的にこの位置になります。
予備知識として、ト音記号の五線の下に書かれた「ド」=「C」の音は、DTMでは一般的に「C3」の音にあたります。ソフトによってC4の場合もあります。SONARはC4です。
C3はピアノでいうと一番真ん中の部分のドに当たります。
この音ですね。ト音記号が示す下から二番目の線は「G3」となる訳です。このように、ト音記号を使う高音部譜表は、歌、バイオリン、フルートやギター等で扱われます。
では低い音はどう表記するか。それがヘ音記号と呼ばれるものです。
へ音記号
一番左の部分がヘ音記号と呼ばれる音部記号で、この音部記号を使用した五線譜を低音部譜表といいます。先程のト音記号より分かりやすいですが、黒丸の部分が「ヘ」の音だと指示しています。
つまり音部記号がへ音記号の場合、上から2番目の線は「ファ」の音という意味ですね。同じ五線でもト音記号とヘ音記号では音の読み方が変わるんです。
低音部譜表はベースにあたる楽器で使用します。チェロ・トロンボーン・コントラバス等ですね。
上図の音はDTMでは「F2」に当たります。
つまりこの音が「C3」ですね。
先程も書いた通りピアノのような鍵盤楽器は音域が広いので、2つを足した大譜表が用いられます。
他にはヴィオラのような楽器で使う、ハ音記号と呼ばれる譜表が存在しますが今は覚えなくても大丈夫です。
まとめ
まとめ
・音名には呼び方が3種類ある。
・「ドレミファソラシド」=「ハニホヘトイロハ」=「CDEFGAB」。
・楽譜で示す音部記号にはト音記号とヘ音記号がある。
・それらは高音系低音系など楽器によって使い分ける。
・ピアノの真ん中の「ド」はDTMでは「C3」(ソフトによってはC4等もある)