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音楽理論

22.スリーコード・代理コード・T・S・D

スリーコードと代理コード

前回はダイアトニックコードとディグリーネームを学習しました。

今回は「Ⅰ、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶm(-5)」をグループ分けし、役割を見てみようと思います。この7つのコードを見てもらうと、メジャーコードとマイナーコードに分かれている事に気付きます。

これらⅠ、Ⅳ、Ⅴのメジャーコードをスリーコードと呼び、ダイアトニックコードの中でも基盤となるコードです。残りのⅡm、Ⅲm、Ⅵm、Ⅶm(-5)は代理コードと呼び、スリーコードの代わりをしてくれるコードです。

例えば、一日目に打ち込んだ「春の小川」はハ長調で、「C→C→F→C→F→G→C→C→C→F→C→G→C」とコードが進んでいきました。

 

春の小川

これはディグリーネームで、

「Ⅰ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅰ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ」と言い換える事が出来、「Ⅰ」「Ⅳ」「Ⅴ」のスリーコードだけで構成されている事が分かります。

ただ自分で作曲するなら、スリーコードの進行だけじゃ面白みがない、物足りない、と感じる場合があると思います。そういった時、この代理コードを使用します。

ダイアトニックコードですから不協和音を起こす事なく、曲の雰囲気もそれほど大きくは変えずに、少しの味付けをする事が出来るんです。

もちろんどのコードでも代理してくれる訳ではありません。

Ⅰ⇔Ⅵm、Ⅲm
Ⅳ⇔Ⅱm
Ⅴ⇔Ⅶm(-5)、Ⅲm

と、決まっています。

代理してみよう

春の小川の前半4小節に代理コードを使用してみましょう。

代理コード

 

CをAmに、FをDmに、GをBm(-5)に変えてみました。大きな違和感なく、雰囲気は少しだけ変える事が出来ました。

使用している音を見てもらうと分かりますが、「C」と「Am」は「ソ」が「ラ」に、「F」と「Dm」は「ド」が「レ」に、「G」と「Bm(-5)」は、「ソ」が「ファ」へと、変わった音は1つだけで、残りの音は一緒です。似るのは当然ということが理解出来ると思います。

少し雰囲気が変わる特徴としては、スリーコードはメジャーコードなので明るく、代理コードはマイナーなので暗く感じさせる事が出来ます。

T・S・D

次にダイアトニックコードそれぞれの役割を見てみましょう。

ディグリーネーム

これら「Ⅰ、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶm(-5)」にはそれぞれ役割があり、呼び名があります

T トニック   ・・・Ⅰ、Ⅵm、(Ⅲm)
D ドミナント  ・・・Ⅴ、Ⅶm(-5)、(Ⅲm)
S サブドミナント・・・Ⅳ、Ⅱm

トニックとは主音のことでしたよね。コードの場合は、主和音=トニックです。役割は最も落ち着くコード。ですからトニックは曲の始まりや終わりに使用されやすいコードです。

ドミナントは属音の和音で、属和音=ドミナントです。不安定であったり緊張感を与えるコードで、トニックに進みたくなるという性質を持っているコードです。

サブドミナントは展開を出せるコードで、ドミナントの補助となります。

 

見てもらうと分かる通り、T、S、Dにはそれぞれスリーコードが入り、それぞれの代理コードも一緒にある事が分かります。つまり3コードと代理コードの関係を覚えてしまえば、あとは3コードがそれぞれどんな役割を持つか理解すれば、全て分かるという事なんです。

カデンツ

次にコード進行を見ていきましょう。1曲の中にたくさんのコードが登場するといっても、めちゃくちゃに並ぶ訳ではありません。定型のコード進行があり、基本的にはそれを繰り返したり、少し変えたりして曲が成り立っていきます。

例えばT→D→Tというコード進行。最初はトニックで安心感のあるコードが鳴り、次に不安定なコードで緊張を与え、またトニックに戻って安心する、という進行です。

音楽は、安定→不安定→安定という流れで曲が進んでいく事が多いので、T・S・D3つの役割を意識すれば良いコード進行を考える事が出来ます。

これらT→D→T等コード進行の定型はカデンツと呼ばれており、他にもT→S→T、T→S→D→Tなどあるので、色々と試してみましょう。カデンツについては今後詳しく掘り下げたいと思います。

まとめ

まとめ

・ダイアトニックのメジャーコード、Ⅰ、Ⅳ、Ⅴを3コードと呼び基盤となる。

・それ以外のマイナーコードは、代理コードと呼ばれ、それぞれ3コードに代理できる。

・Ⅰトニック・Ⅴドミナント・Ⅳサブドミナントとそれぞれ役割がある。

・カデンツ定型を使えば曲が作りやすくなる

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