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音楽理論

28.カデンツとは?

カデンツ

22日目に少し触れたカデンツを覚えているでしょうか?忘れた方は一緒に復習しましょう。

分かりやすくハ長調トライアドで考えます。

ディグリーネーム

 

これらダイアトニックコードは

トニック(T)‥Ⅰ、Ⅵm、(Ⅲm)
サブドミナント(SD)‥Ⅱm、Ⅳ
ドミナント(D)‥Ⅴ、Ⅶm(-5)、(Ⅲm)

に分ける事が出来ました。トニックは安定、サブドミナントはやや不安定、ドミナントは不安定でしたね。

曲は「安定ー不安定ー安定ー不安定」を繰り返している事が多いので、コード進行も基本的にはこの役割を利用して進んでいます。その役割を利用したコード進行の定型をカデンツと呼びます。

というのが前回の内容でした。では今回は3種類のカデンツを詳しく見ていきましょう。

第1カデンツ T-D-T

トニック ー ドミナント ー トニックの進行で、一番基本となるカデンツです。色々な書籍やサイトでは、授業開始の挨拶音を例に挙げられています。一番分かりやすいので、こちらでも紹介させて頂きます。

挨拶

Ⅰのトニックで安定した響きから始まり、Ⅴのドミナントへ行く事で不安定に。またトニックに戻り安定します。ドミナントは不安定という要素を持っているので、「安定したい!」「トニックに帰りたい!」という力を持つんですね。

ですから原則的にはドミナントはサブドミナントに行く事はありません。もちろん音楽は自由なので例外もありますが。

ちなみにこの不安定から安定へ帰る動きを解決と呼びます。コード進行は、緊張させて解決する事を繰り返すのがの基本です。

もちろんこれらCとGのコードは代理コードに変えても構いません。ⅢmとⅦm(-5)はあまり使用する頻度が少ないので、今は忘れて考えてみましょう。

第1カデンツ代理1

でもいいですし

第1カデンツ代理コード2

これでも、

第1カデンツ代理コード3

これでも第1カデンツに分類されます。

第1カデンツは主にこの4種類です。マイナーが加わる事により、メロディが同じだとしても雰囲気が変わるので色々試してみると良いでしょう。

第2カデンツ T-SD-D-T

トニック ー サブドミナント ー ドミナント ー トニックの進行です。第1カデンツのドミナントの前にサブドミナントを挟むカデンツですね。

トニックから一気に不安定なドミナントへは進まず、サブドミナントを挟む事で、少しずつ緊張状態にしていく狙いがあります。

第2カデンツ

第1カデンツに比べると、徐々に不安定になり安定に帰っていく事が分かると思います。こちらも第1カデンツ同様に、ⅠをⅥmにしたり、ⅣをⅡmにするなど代理コードを使う事が出来るので色々試してみましょう。

第3カデンツ T-SD-T

トニック ー サブドミナント ー トニックの進行です。こちらは安定ーやや不安定ー安定と進行するカデンツです。別名アーメン終始とも呼ばれており、元々は賛美歌などで使用されていました。

第3カデンツ

第3カデンツも使用頻度はかなり高いのですが、他のカデンツと違い気をつけなけらばならない点があります。

アーメン終始という言葉でも表されていますが、終わりの部分はⅣーⅠにしなければならないという決まりがあります。つまりⅣの代理コードⅡmや、最後のⅠに代理コードⅥmは使用しないんです。

ですから、第3カデンツは「ⅠーⅣーⅠ」もしくは「ⅥーⅣーⅠ」という2種類しかないという事になります。

もちろん絶対に使用してはいけない訳ではありませんが、使用した場合第3カデンツではなくなると覚えておきましょう。

カデンツを合わせる

カデンツを合わせれば曲が出来上がります。第1カデンツー第3-第2.第3-第1-第2など自由に合わせてみましょう。

カデンツを合わせる

基本は上図のように、Tの部分を連結させて使用する事が多いです。ⅠーⅣーⅠーⅠーⅤーⅠではなく、ⅠーⅣーⅠーⅤーⅠのような使い方です。

カデンツを繋ぎ合わせれば良いコード進行が色々出来るので、たくさん作ってみましょう。

まとめ

・曲は「安定ー不安定ー安定ー不安定」を繰り返している

・コード進行もそのように進んでおり、その定型をカデンツと呼ぶ

・トニックは安定。サブドミナントはやや不安定。ドミナントは不安定で、トニックに帰りたがる。

・第1カデンツはT-D-T。第2カデンツはT-SD-D-T。第3カデンツはT-SD-T。

・スリーコード、代理コードどちらでもよいが、第3カデンツのみ「ⅣーⅠ」で終わる。

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