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音楽理論

16.長調・短調・音階

調

調という言葉を聞いた事があるでしょうか?外国では「KEY(キー)」と呼びます。「キーを上げる、下げる」と言うあのキーです。

曲にはそれぞれ調というものが存在します(無調というものもありますが、99%は調があります)。そしてこの調は、曲全体で主に使われている音階で決まります。詳しく見ていきましょう。

音階(スケール)とは?

ハ長調

音階は音の階段の事を言い、別名スケールと呼ばれます。音を高いあるいは低く並べたものは全て音階と呼びます。

例えば上図は「ドレミファソラシド」と音の階段となっています。このように音が並んだものは音階です。たとえここからDの音だけ抜いても音階ですし、♯や♭が入っていても音階です。

長音階(メジャースケール)とは?

音が並べば音階ではありますが、音階にも種類があります。上図のように「全全半全全全半(全音と半音)」と並んだ音の階段をを長音階(メジャースケール)と呼びます。

そしてドを基本とした(これをドが主音と言います)長音階をCメジャースケールと呼びます。「ド」は英語で「C」でしたね。

長調とは1

Cメジャースケールを使って作られた曲、つまりドレミファソラシの音階を使って作られた曲をハ長調と呼びます。

調については少しややこしいので後述しますが、今は「曲で使われる音階によって調が決まる」「Cメジャースケールならハ長調」と覚えましょう。「ハ」はもちろん「ド」が主音だからです。

調号とは?

ここで五線譜を見てみましょう。

調号

前回半音と全音で説明した、音部記号の横に付く♯。これを調号といいました。わざわざ♯や♭などの臨時記号を使わなくても、最初に指定しておく事で、その音に対しては有効なものでした。

実はこれこそが調をあらわしています。(臨時記号を使わない場合)調号が何もついてなければ五線譜上ではドレミファソラシドしか表現できません。つまり「ハ長調で主音がド」という事が分かります。

という事は♯や♭が増えていく事で、○長調か変化していく事が分かります。♯の置く位置は順番と決まりがあります。

長調

()内はキーです。

この図のように、♯一つの場合はファの位置に、二つの場合はファ+ドの位置に。と決まりの上で増えていきます。この増え方は丸暗記しなくても簡単に覚える方法があるので、今はこういう風に増えていくんだなぁという認識で大丈夫です。

長調とは2

ここで長調に戻りましょう。

つまりどの音を主音にした長音階かによって調が変わります。上図を見ても分かる通り、主音は15通り出来ます。なので長調は15個存在する事になります。(15個ですが、ロ長調(B)と変ハ長調(C♭)は同じ音ですし、嬰ヘ(F♯)と変ト(G♭)、嬰ハ(C♯)と変二(D♭)も同じなので実質合計12と考えれます。)

では調・音階・調合の関係を確認する為に、一旦先程の図は忘れましょう。

ではDを主音とした長音階を作りましょう。さて、どうすればよいでしょう。Cと同じように考えるとレミファソラシドレとしてしまいがちです。しかしこれは違います。

レミファソラシドレ

レ

レミファソラシドは五線譜で見た場合、ドレミファソラシドと同じように1音ずつ上がっているように見えますが、鍵盤で見ると音の幅が全く違う事に気付きます。

ドレミファソラシドは全全半全全全半だったのに対し、レミファソラシドレは全半全全全半全とよく分からなくなっています。

長音階のルールは全全半全全全半という距離の幅がルールですからこれではいけません。長音階と呼ばれる音階は何処を主音に置いても必ず全全半全全全半になるんです。

Dで長音階を作る場合は、

D長音階

レミファ#ソラシド#レが正しくなります。

ファとドは#の黒鍵を使う事により、全全半全全全半となります。これでCの長音階と同じようにDの長音階が出来るんです。ではもう一度調合の図を見てみましょう。

長調

「Dを主音とした長音階」つまりこの調はニ長調という事になります。

二長調

ちゃんとファとドに♯が付いている事が分かりますね。こういった理由から、この2箇所に付いていたんです。

調と音階の関係。少しややこしいですがこれを掴めば音楽理論はかなり前進します。ハ長調ならドレミファソラシの白鍵を使って作曲するんです。

もちろん黒鍵の♯や♭を使ってはいけないという事ではありません。ただ主にドレミファソラシを使い、他を使うならオカズとして入れる事になります。そうしないと音が外れたように聞こえてしまうからです。

一日目に作った春の小川ですが、あれはハ長調です。なので一切♯や♭が登場しませんでした。

1度好きなアーティストの楽譜を眺めて下さい。ほとんどの音が調に対する音階から使われている筈です。(ちなみに曲の途中で調が変わり使う音階が変わる事もあります。これを転調といいます。)

短調とは?

C短音階

音階は何種類も存在しています。ただ、大きく分けて2つ。

先程やった長音階(メジャースケール)短音階(マイナースケール)というものです。

短音階の場合は、上の図のように全半全全半全全という距離で出来上がります。これはCを主音とした場合ですが、先程の長音階と同様、短音階も距離で考えればすぐに導き出せますね。

長音階は全全半全全全半。短音階は全半全全半全全です。

この短音階が使われている調を短調、もしくはm(マイナー)と言います。ハ長調はキーがCでしたが、ハ短調はCmと呼びます。

長調の曲は明るく感じ、短調の曲は暗く感じるという特色を持っています。調には長調と短調があり、12ずつあるので計24という事になります。

少し混乱すると思いますが、今までのをしっかり頭に入れれば、「○調は何の音を使うか」「○音階を使っているからこれは○調」など丸暗記しなくて導き出す事が可能です。

ただもっと簡単に導き出せる方法もあるので、それらは次回に見ていきましょう。

まとめ

まとめ

・音の階段を音階と呼び、長音階(メジャースケール)・短音階(マイナースケール)が存在する。

・長音階は全全半全全全半。短音階は全半全全半全全。

・音階の最初の音を主音と言う。

・曲には調=キーがある。

・調は、どの音を主音とした長音階(短音階)で曲が作られているかで決まる。

・基本的には、調で使用する音階の音を使って作曲する

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